突然の別れに世界中が悲しみに包まれる
2025年4月21日、バチカンでローマ教皇フランシスコが88歳で死去しました。死因は脳卒中による昏睡と心不全。2022年に作成された遺言により、教皇は自らの墓を「簡素に、名前のみを刻む」よう求めていました。
教皇は死去前日のイースター(復活祭)にも公の場に姿を見せており、急な別れに多くの信者や関係者がショックを受けています。
「耳を傾け、寄り添う」教皇の姿勢
2013年に就任したフランシスコ教皇は、中南米・アルゼンチン出身で、初のイエズス会出身の教皇。貧困、環境問題、核兵器廃絶など、幅広い社会課題に取り組んできました。特に2019年の訪日では、広島・長崎で核廃絶のメッセージを世界に発信。平和と人道を重んじるその姿勢は、多くの人々の心を打ちました。
各国・各界からの追悼の声
- 日本・石破首相:「国際社会全体にとって大きな損失。心から哀悼の意を表する」
- アメリカ・トランプ前大統領:「世界をよりよい場所にしてくれた」
- ブラジル・ルーラ大統領:「不和の中に団結をもたらした存在」
- アルゼンチン・メッシ選手:「あなたがいなくなると寂しくなる」
このように、宗教界だけでなく、政界・スポーツ界からも深い敬意と感謝の声が寄せられました。
世界各地で追悼の動き
バチカンのサンピエトロ大聖堂をはじめ、パリのノートルダム大聖堂、ロンドンのウェストミンスター大聖堂など世界各地の教会では、追悼のミサや記帳が行われています。
日本国内では、長崎や東京の教会、大阪・関西万博のバチカンパビリオンでも記帳所が設けられ、多くの人が祈りを捧げました。
次の教皇は「コンクラーベ」で選出へ
フランシスコ教皇の死去を受け、次の教皇は「コンクラーベ」という選挙で決定されます。世界各地から集まった80歳未満の枢機卿たちがバチカンのシスティーナ礼拝堂で投票を行い、3分の2以上の得票者が新教皇となります。
選出後は、バルコニーから世界に向けてメッセージを発信することが伝統です。
フランシスコ教皇が遺したもの
「愛と思いやりこそが世界を変える」。フランシスコ教皇はその信念を言葉と行動で示し続けました。力や権力ではなく、人間性で人々に寄り添い、世界の課題に立ち向かう姿は、多くの人の心に刻まれています。
彼の死は終わりではなく、新たな教皇の選出とともに、平和への意志を引き継ぐ大切な節目でもあります。