人気ゲームクリエイター、小島秀夫監督が手掛ける最新作『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』(デススト2)に、人気VTuberの兎田ぺこらさんがゲストキャラクターとして出演することが発表され、ゲーマーコミュニティ内外で大きな話題となっています。
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— KOJIMA PRODUCTIONS (@KojiPro2015) May 29, 2025
彼女はゲーム内で「プレッパーズ」というゲストキャラクターとして登場し、主人公のサム・ポーター・ブリッジズに「おつぺこでした~」と声をかけるシーンが公開されています。この異色のコラボレーションは、多くの関心を集める一方で、様々な議論を巻き起こしています。
なぜ、VTuberの兎田ぺこらか?
兎田ぺこらさんはホロライブに所属する人気VTuberで、YouTubeチャンネル登録者数は270万人を超え、VTuberファン以外への知名度も高い存在です2。彼女自身、2020年には前作『DEATH STRANDING』の実況配信を行っており、ファンコミュニティでも話題になっていました。
兎田ぺこらさんと🐇 pic.twitter.com/S0JuGcBqVe
— 小島秀夫 (@Kojima_Hideo) August 30, 2024
さらに、小島監督が彼女の配信を視聴していることを明かしたり、コジマプロダクションで2ショット写真を公開したりするなど、以前から接点があったことが知られています。
小島監督の作品は、これまでも現実世界の著名人やアーティストを積極的にゲーム内にキャラクターとして出演させることで知られています13。前作『DEATH STRANDING』では、ノーマン・リーダスさんやマッツ・ミケルセンさんといった世界的名優に加え、ホラー漫画家の伊藤潤二さん、歌手の三浦大知さん、映画監督のエドガー・ライトさんなどがカメオ出演しました。
今作でも兎田ぺこらさんの他に、韓国の俳優マ・ドンソクさんの出演が明らかになっています。
こうした流れを踏まえると、今回の兎田ぺこらさんの起用も「小島監督らしい人選」として受け止められています。
『DEATH STRANDING』の世界観とVTuberの親和性
『DEATH STRANDING』シリーズが描くのは、分断され、物理的な繋がりが困難になった世界で、通信を通じて「人と繋がる」ことが重視される社会です。プレッパーズはカイラル通信というシステムでホログラムとして登場することが多いため、この世界観において、必ずしも本人の物理的な姿ではなく、アバターを介して活動するVTuberという存在は非常に理にかなっているという指摘があります。
現実世界でもアニメが存在するように、ゲーム世界にバーチャルなキャラクターが存在することも不自然ではないという見方です.。ゲームのデザインがリアル調であることに対し、VTuberのアニメ調デザインが浮かないかという懸念もありますが、ホログラムという設定であること、見た目は作り物という設定である可能性から、デスストの世界観に「全然いてもおかしくない」と感じる声も見られます…。特に、今回の出演キャラクターが「データサイエンティスト」という肩書きを持つプレッパーズであるという情報からは、妙な納得感があるという意見もあります。
賛否両論の波紋:期待と懸念
兎田ぺこらさんの起用は大きな話題性をもたらし、「話題性としては成功」と見られています。一部のファンからは、好きなVTuberの出演を歓迎する声や、ゲーム本筋に関わらないゲストキャラクターであれば問題ないとする意見があります。
しかし、一方で海外ゲーマーを中心に「なぜVTuber?」といった疑問の声や110、「世界観が壊れるのではないか」という懸念の声も少なくありません…。特に、ゲームのリアルなグラフィックとVTuberのアニメ調のルックスの乖離を不安視する意見が見られます。また、兎田ぺこらさん個人に対する否定的な意見も一部で見られます。
例えば、両作品のファンからは、「なぜ(起用されたのが)ぺこらやVtuberなのかと問うなら、君は小島をフォローしておらず、時代遅れになっている」といった投稿が見られ、小島監督のこれまでの傾向や現代のデジタル文化への理解度が反応の分かれ目になっている可能性を示唆しています。また、VTuberが自身のチャンネルに異性を呼ぶ際に批判が殺到するケースがあることとの対比を挙げ、「擁護している人達はゲームの擁護ではなく出演しているVを擁護しているだけ」といった、ファン心理に踏み込んだ分析も見られます。
まとめ
兎田ぺこらさんの『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』へのゲスト出演は、単なるサプライズキャスティングにとどまらず、ゲームが描く「繋がり」の形、そして現代のテクノロジーとエンターテイメントにおける「リアル」と「バーチャル」の関係性といったテーマを、改めてプレイヤーに問いかける小島監督ならではの試みであると言えるでしょう。この「人選」がゲーム本編でどのように活かされ、デスストの世界にどのような彩りを加えるのか、PS5版の発売日である6月26日が待たれます。