VTuber業界に大きな動きがありました。人気VTuberグループ「ホロライブ」を運営するカバー株式会社が、ゲーム開発大手のコーエーテクモゲームスと、同社の著作物利用に関する包括的使用許諾契約を締結したことを発表しました。この歴史的な契約は、今年5月下旬にVTuber業界のもう一方の雄である「にじさんじ」を運営するANYCOLORとも同様の契約が結ばれていたことに続くものです。この連続した動きは、VTuberによるゲーム実況における「安心・安全」な環境整備に向けた、まさに大きな一歩と言えるでしょう。今回の契約が、VTuberのゲーム配信、さらにはデジタルエンタテインメント全体にどのような新たな可能性をもたらすのか、その未来に大きな期待が寄せられています。
包括的許諾契約とは? ホロライブに開かれる新たな扉
今回の包括的許諾契約の締結により、「ホロライブ」に所属するVTuberたちは、コーエーテクモゲームスが保有する膨大なゲーム著作物を、正式に実況配信などに活用できるようになります。コーエーテクモゲームスは、かねてより「配信者やクリエイターが安心してコンテンツを利用できる環境を整えることに努めている」と表明しており、今回の契約もその一環として、IP(知的財産)の価値を最大限に活用しつつ、同時に健全な配信環境を構築することを目的としています。
さらに注目すべきは、この契約が「過去の作品を活用した配信」についても許諾を得ている点です。これにより、ホロライブのVTuberたちは、最新作だけでなく、コーエーテクモゲームスの豊富な旧作タイトルも自由に配信できるようになり、ファンにとっては懐かしい名作から最新の話題作まで、幅広いゲーム実況コンテンツが楽しめるようになるでしょう
にじさんじに続き、業界の二大巨頭が名乗り! コーエーテクモの戦略とは
今回の「ホロライブ」を運営するカバー株式会社との契約は、コーエーテクモゲームスにとって、VTuber業界との関係を強化する重要な一手となります。なぜなら、これに先立つ今年5月下旬には、VTuber業界のもう一方の大手である「にじさんじ」「にじさんじEN」を運営するANYCOLORとも同様の包括的使用許諾契約を締結していたからです。
これにより、VTuber業界の二大巨頭である「ホロライブ」と「にじさんじ」が、共にコーエーテクモゲームスのIPを安心して利用できる環境が整ったことになります。この連続した契約は、コーエーテクモゲームスがVTuber業界全体へのコミットメントを強く示している証と言えるでしょう。
同社は「世界No.1のデジタルエンタテインメントカンパニー」を目指すことを掲げており、その目標達成のためには、ゲームIPの適切な活用と、魅力的なコンテンツの開発・販売が不可欠です。「信長の野望」シリーズや「仁王」、「アトリエシリーズ」など、多様な人気IPを多数抱えるコーエーテクモゲームスが、VTuberという新たなメディアを通じて、これらのIPの魅力をさらに広げ、より幅広い層にアプローチしていく戦略が見て取れます。今後、VTuberによってこれらのIPがどのように活用され、新たな化学反応が生まれるのか、大きな期待が寄せられています。
広がる可能性! VTuberとゲーム企業の「共創」が生み出す未来
カバー株式会社は、今回の契約について、ゲーム実況が「所属タレントが配信活動を通して世界中のファンの方々に楽しさや面白さを広く提供するためのコミュニケーションツールとして一役を担っている」と説明しています。これは、VTuberの配信活動が、単なるゲームの紹介に留まらず、タレントとファンが交流を深める重要な手段であると認識していることを示しています。
そして、カバーとコーエーテクモゲームスは、「今後も配信を通じたゲームの魅力拡散に向けて健全な配信環境の構築に取り組む」という共通の方針を示しており、両者がVTuberとゲーム企業が一体となって市場発展に貢献していく姿勢を明確にしています。
この包括的許諾契約は、VTuberとゲーム企業との「共創」の時代をさらに加速させるでしょう。これまで以上に安心して、そして自由にコーエーテクモゲームスの名作・新作がVTuberたちによって実況されることで、ゲームファン、VTuberファン双方にとって、より豊かで多様なエンタテインメント体験が提供されるはずです。今後、ホロライブのVTuberたちがコーエーテクモゲームスのIPを使用してどのような斬新で魅力的な配信が行われていくのか、その未来を大いに楽しみにしましょう。