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政府備蓄米の随意契約が本格始動:コメ不足の救世主となるか?

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随意契約による備蓄米の流通が始まった背景

2024年の猛暑や農業従事者の減少により、国内の米供給に不安が広がっています。そんな中、政府は保有する備蓄米を民間企業に売却する「随意契約」の仕組みを導入しました。この取り組みは、コメ価格の安定化と消費者の生活防衛を目的としています。

アイリスグループが精米・販売をリード

随意契約によって認定されたアイリスアグリイノベーション社は、自社の亘理工場で精米を実施。「和の輝き(5kg)」として公式通販サイト「アイリスプラザ」やグループ店舗にて販売を開始。初回分はわずか45分で完売するなど、大きな注目を集めました。

一般消費者に届く備蓄米、その価値と課題

販売された米は「古古米」や「古古古米」と呼ばれる令和4年・3年産の米ですが、農水省の調査では味に大きな違いはなく、適切な保管と炊飯方法でおいしく食べられるとされています。安価に提供される一方で、「品質」への不安を抱える消費者もいます。

中小スーパーやコメ販売店の不満と格差

随意契約の対象となった大手企業に比べ、中小業者は令和3年産の「古古古米」しか申請できないなど、不公平感も浮上。物流能力や精米設備の有無によって参加が難しい店舗も多く、制度設計の見直しを求める声も上がっています。

転売防止策とフードセキュリティへの影響

メルカリや楽天などのフリマサイトは備蓄米の出品を禁止。生活必需品としての適切な流通を守る動きが進んでいます。また、子ども食堂や家計に厳しい家庭からの需要も強く、政府や流通企業の対応力が問われています。

米の安定供給に向けた課題

農林水産省は令和3年産の備蓄米を中小小売業者向けに6万トン割り当てる計画を発表。これにより、全国的な価格の沈静化と米不足感の払拭が期待されます。一方で、小売業者の流通能力格差や、コメ離れへの懸念など、今後の政策調整も求められる状況です。

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